雪がザックザクの住宅街で今年3回目のスタックで車が身動き取れなくなったところ佐川急便のトラックで引っ張り上げてもらった書道家の長谷川悠貴です。
さて、字を練習するときの大きさはどれくらいにして書いているでしょうか?
字のサイズはハチャメチャ重要です。
ということで、今回は字を練習する際の適切なサイズについてお伝えしていきたいと思います!
【大きい字で書こう!】
小さく書くよりも大きく書いた方が字は上手くなります。
大きく字を書くことでレベルアップができます。
理由は2つ。
①難しいから
②意識をするから
ざっくりこの2つですが・・・
この理由を詳しく解説していきます。
小さい字ではその字のどこが悪いかが分かりにくいんです。
大きく書くことでどこが悪いのか、どこを直したら良いのか、自分の課題がハッキリと見えてきます。
そしてなにより!小さく書くよりも大きく書く方が難しいんです。
線を長く書かなければいけなくなり、まっすぐ引けなくなったり、思い通りの線が引けなくなります。
小さい字の場合は誤魔化しが効くんですが、大きい字の場合は誤魔化しが効かなくなります。
短い線を書く方が簡単だし、字の中の空間が狭くなるほどバランスは取りやすい。
上の「縁」の字を見比べていただくと「字の中の空間」(線と線の間の空間)に差があります。
字をおっきく書くとその分、空間が広がりますが、広くなればなるほどバランスを取るのが難しくなります。
字を大きく書いていると、
「線を引く技術」「空間バランスのセンス」
が高くなります。
大きく書いて練習していると『線が曲がってる』『線が波打ってる』や『空間にバラつきがあってバランスが悪い』『ヘンとツクリの間がほんのちょっと離れていてスタイリッシュに見えない』など明確に見えるので嫌でも意識しなければいけなくなります。
これを強く意識し練習することが重要です。
ちっちゃく書いていると意識していなくても「それなり」に見えてしまいます。
ここが落とし穴なんですよね。
あ、これでいいやとなっちゃう。。。
ちなみにですが、小中学校の授業科目にある「書写」はなぜ「毛筆」を扱うかご存知でしょうか?
日本の伝統文化である書道を体験するためではありません。
そもそも書写の意義、目的は「字を正しく綺麗に書けるようにするため」です。
であれば、「ペン(硬筆)」だけやればいいはずですが「毛筆」を使います。
それは毛筆で大きく書いたほうが練習としての効率が良いからです。
これは先ほどと同じことが言えて、おっきく書いた方が何が悪いか、どこが悪いかがハッキリクッキリ見え、改善箇所が明確になります。
そのほかにも文字の基礎である「トメ・ハネ・ハライ」「点画の書き方」などを『意識』して取り組めるから。といったこともあります。
毛筆は硬筆の基礎ということですね。
毛筆を扱う意味はざっくりこんな感じです。
【大きいサイズってどれくらい?】
まず練習には「マス目」を使うのが良いです。
無地の紙にそのまま字の練習をするよりもマス目という限られた空間の中に字を書いて練習した方がバランスを整える能力(字のセンス)が上がります。
マス目があるとサイズ感も分かりやすいですしね。
あとはバランスが取れないうちはマス目の中の十字線はあったほうがバランスを図れるので良いと思います。
そして、サイズは2.5cmのマス目を推奨します。
これ結構大きいです。
書店に行くと美文字本がたくさん並んでいますが2.5cmのマス目はほとんどありません。
大きくても2.0cm。
この「0.5cm」全然っ!!!変わります!!!
正直、2.5cmマスに書くってすごい難しいんです。
逆にたった0.5cm小さくなった2.0cmはかなり簡単になります。
さらに小さい1.5cmはもっと簡単です。
難しいことをやった方がトレーニングになるので良いです。
「0.5cm」の差で難易度が結構変わっちゃうんですよね。
ちなみにですが、ジャポニカ学習帳は十字マスになっているのでペン字練習でよく使われています。
マスサイズがいくつもあるので、2.5cmマスのジャ
ポニカ学習帳を使ってみてはいかがでしょうか。
【マス目サイズだけの問題だけではない!】
ここで気を付けていただきたいのは、どれだけ2.5cmのマス目サイズであったとしてもマス目の中に小さく書いてしまうと意味がありません。
適切なサイズで書いておくことは絶対条件です。
さらに!
ペンのサイズによっても変わります。
推奨する2.5cmのマスに0.5mmのゲルインクペンがちょうど良いです。
0.7mmで書いてみると線が太いので字の中の空間密度が狭くなるので結構楽に書けます。
逆に0.38mmだと字の中の空間がスカスカになるので字のかっこよさが薄れちゃう。
このあたりのバランスをちょうどよく取ってくれるのが0.5mmの太さ。
0.5mmというサイズは書きやすさとキレが両方取れるバランスの良いサイズ。
僕も普段はこの0.5mmがベースです。
YouTubeに出ている手本字も2.5cmマスに0.5mmゲルインクを使っています。
【大きい字と小さい字、両方練習してみる】
「美文字本」で採用されてるマスサイズは実用サイズだったりします。
実際に2.5cmのサイズで書いてみるとかなり大きいので、実用ではほとんど使わないサイズ感だと思います。
主にトレーニングとして大きく書いて、たまに実用サイズでやや小さめに書くという大小それぞれ練習していくのがベストです。
大きいサイズだけ書いているといざ小さく書こうと思ってもアレ?書けない!?ってことになってしまうので小さいサイズにも慣らしておくと良いでしょう。
大きいサイズで書ける能力があれば小さい字に移行しても問題なく書けます。
「慣れ」の問題だけです。
逆に、小さいサイズで書けていても大きい字になってしまうと書けないことはよくあります。これは慣れの問題ではなく「能力」の問題です。
2.5cmよりも大きいマスで練習するのも全然OKです。
が、難しすぎてイヤになったり、マスサイズに対してペンの太さが細く字がスカスカになりすぎてカッコよく見えない。ということもあるのでこのあたりのバランスを取ると2.5cmのマス目がちょうど良いんじゃないかなと思います。
ということで、字を練習するときはできるだけ大きい字で書いた方がよりレベルアップできますよ〜ということでした!
それではまた次回!
#美文字 #書道家
#筆文字 #ロゴ
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